小陰唇と大陰唇などの外観:小陰唇は成人女性では、左右に引っ張れば無用に長く広げられる傾向にあります。また小陰唇は先端が黒ずんでいるものの基部はピンク色で綺麗な色をしているのが普通です。
図のように切開を行い、縫合時には皮下組織および真皮のレベルで中縫いを行います。
外縫いしかしない医師もいるとは思いますが、外縫いの抜糸をする場合は後に万一傷が開いてしまう事の予防や傷の綺麗さに貢献しますから、中縫いする方が推奨されるものです。
また抜糸せずに外縫いだけの場合は、中の組織を絞められませんから、傷の中で出血してかなり腫れる合併症がでることがあるのと、中縫いがない分、外の糸はすぐ溶けない糸を使いますので、1ヶ月も溶けない状態が続き、ピアスの穴と同じで糸が通っている穴が出来上がり、糸が溶けた後も穴が残り、そこに垢が詰まったり見栄えを悪くしたりします。
通常中縫いも外縫いも溶ける糸で行われることが多いものです。やはり外糸の抜糸のため通院して・・・というのは心理的に抵抗もありますから、それを配慮しての外糸は溶ける糸というクリニックが多いです。
この部位に限らず、外科系手技として傷を閉じる時には、図のような断面図で見て、表皮に近いところで、縫合をする事は多いものです。
体を立てて、小陰唇を下に引っ張った時の小陰唇切除の断面図は、X字型に切られたようにすべきであり、これで
中縫いが容易になると伴に、小陰唇の先端が薄く(厚ぼったくなく)自然に見えます。
小陰唇切り取りの方法として簡便な手技として図のような方法もあります。ただ、これでは、黒ずんだところが全部は取れないのと三角弁の先端が血行不良のために壊死に陥るリスクがあります。
初老の女性で痩せた方は、大陰唇が萎縮し、シワシワになっていることが多いものです。こういう時は、下腹部あたりから脂肪吸引した脂肪を大陰唇に注射します(脂肪注入)。私(木村)の経験上、比較的良い結果が得られています。 但し、血行が得られた脂肪として定着する以外に、外陰部は、腫脹した組織が器質化してボリュームとして残る傾向があり、両者合わせ持って結果を出しているのだと推測しています。